“ツイフェミ” と呼ばれる人たちをはじめ、 SNS 上では怒りを爆発させる人たちが増えている。この怒りエネルギーで何かできないものか、と本書を手にしてみたが、既に怒りエネルギーを金に変換して成功しているメディア (一部の Youtuber も) が多数存在しており、SNS ジェンダー怒りビジネスが熱い。
本書はジェンダーと怒りが大きなテーマになっている。私が基準とするフェミニズムは Sheryl Kara Sandberg が LEAN IN で語っているものか。興味深いのが、”許せないがやめれない人たち” は、”ケーキが切れない非行少年” との共通点が多いように感じられた。認知の部分ですでにバグっているのだろうか。
謎だった事と答え
- なぜ怒るのか?
- 怒りは現代における「貧者の娯楽」の一つ
- スマホ依存と関係は深い
- 自らが弱者として認定されないことへの怒る。ツイフェミは自ら不快になりたがっている
- ネットだから誰にでも攻撃できるのか?
- 本来ではコミュニケーションできるような相手ではない有名人、政治家・専門家を、上から目線で叩いて憂さ晴らしができる
- コミュニティがあり集団で攻撃ができる。なお、攻撃対象はコミュニティ内の人間にも及ぶ
- 炎上は、生産性のある議論や提言にはまったく発展せず、否定で終わる。問題を解決するのが目的ではない
- 変われるのか?
- 覚醒剤や酒と同じで、依存症のため回復の望みはあるが治療はできない
- なお、終章にある (著者を誹謗中傷して訴えられた) 被告に恋人ができると著者への誹謗中傷が途絶えたのは興味深い
メモ
女が許せない
- 怒りは麻薬である
- スマホを開ければ、24 時間、365 日、常に怒り放題の中毒者たち。怒りを集団で爆発させ感情浄化を得ている (カタルシス)
- 一日中、猫背の状態でスマホを見つめ続け、画面から発せられるブルーライトを網膜に浴び続けながら、文字通り血眼になって「許せない」対象を探し続ける
- 怒りは時間とともに収まるが、他人の怒りに便乗すれば延々と怒れる。これを怒りの万引きという
- 次に、「怒っていいのは私だけ」と主張がはじまる
- 「私の怒りを盗むな!」と大声で叫びはじめる
- ジェンダーは怒りの万引きを正当化できるため (多義的ゆえ) 、よく利用される
- ジェンダー問題は、社会主義の名の下で、誰でも当事者、被害者として発言できる
- 燃えやすく、燃やしやすい
- ジェンダーをめぐる論争は、現代における「貧者の娯楽」の一つ
- キメツイ … キメセクと似た快感。怒りの麻薬をキメてツイートすること
- 本来ではコミュニケーションできるような相手ではない有名人、政治家・専門家を、上から目線で叩いて憂さ晴らしができる
- ミソジニストの「女が許せない」の対象は、抽象概念の「女性」である
- 穴モテ期、パパ活・売春による優遇、高所得への嫉妬
- 「全てはフェミニストによる陰謀」という世界観を強く信じている
- ジェンダー・ギャップ指数 (日本は低い) は、女性が自発的に行動する国ほど上昇する
- 日本は、世界価値観調査の “男女の幸福度差” は世界一である。日本の女性の幸福度が男性を上回る程度は世界トップレベル
- http://honkawa2.sakura.ne.jp/2472.html
- インセル (Incel: involuntary celibate) … 不本意の禁欲主義。主に自分の容貌に対する強いコンプレックスを抱いている異性愛者の男性
- レッドピル理論 … インセルの間で信奉される歴史観。モテないのは女性のせいであり、モテる男は不正をしているという。「それらの世界の真実を知っている、選ばれた存在がオレたち」という理論
- ネット上で女叩きを蹴り返すミソジニストは、「妻 (恋人) のいない DV 夫 (彼氏)」
- 結局は男性社会から排除された (or と思い込む) からの地位や利権への憧れ
- はっ!これも欠乏か (20210206: 並行して欠乏の行動経済学を読んでいる)
- 反差別に酔った彼らは無差別的に攻撃せる。すると、同じコミュニティ内の同士を攻撃しはじめる
- MGTOW (Man Going Their Own Way) … 我が道を行く男たち。脱インセル。男性の社会的役割から降りた生活を送ろう、という価値観を持つ男性たち
- ミソジニストのダブルスタンダードで一番あるのが、なぜか母親 (最も身近な女性) を攻撃対象としない
- ミソジニストの攻撃対象は「母親になってくれない女性」かもしれない
- マスキュリスト (男性主義者) … フェミニズムと同じ論理構造を有しているため 、ソジニストの主張に比べれば圧倒的な政治的正しさが備わっている
- 「女の言葉」を使い、「男の気持ち」を表現し、フェミニストたちに痛烈な言葉を浴びせる。敵の言葉を使うことで伝わるゆえ、戦術として正しいといえる
- かわいそうランキングに入りたい人たち
- 上位は既得権益 (救済対象になりやすい) があると主張するランク下位の人たち
- 自らが弱者として認定されないことへの怒り
- これすごいよな。となりの芝が青いと自らを被害者と認識して、妬み、攻撃する
- ツイッターマスキュリスト … SNS で攻撃をやめれなくなったミソジニストたちは、マスキュリストの皮を被り (あるいは追随する形をとって) 情報配信をする
- ツイッターフェミニスト vs ツイッターマスキュリスト
男が許せない
- フェミハラ … ツイフェミの攻撃で被害にあった人は #フェミハラ とつぶやく
- ツイフェミの怒りが生み出される構造
- 根本は前述している「貧者の娯楽」がスタート
- 追随敵批判者の増加 … 一次情報 (ソースや原文) を確認せずに、見出しやまとめ記事だけ見て「女性差別だ」、「許せない」と怒る人の増加
- 炎上対象がマスメディアで取り上げられる = 批判・攻撃が正当なものと認識してしまう
- そして、さらに大規模へ
- 炎上元の謝罪や反論は火に油を注ぐごとく、効果はない
- さらに、炎上元に関わる、団体、人、著作物など、果にはまったく無関係な第三者にも飛び火する
- これらに、生産性のある議論や提言にはまったく発展せず、否定、否定、否定で終わる
- 対象が中止、削除、死亡、またはツイフェミが飽きることで鎮火する
- 炎上は長くて一日ほど。すぐに飽きられ次の攻撃対象にうつる
- 本来は闘う必要のない相手や集団を「加害者」、「性差別者」として認定・攻撃してしまうので、問題解決をより困難にしてしまう
- コメントスクラム … SNS 上の大量の批判的コメント
- ツイフェミの「許せない」が依存するまでの過程
- 主語を個人から全体化させ、女性全体の怒りと主張する
- 本来は被害者のケアであり、社会問題解決の便宜上の手段にすぎないが、怒りの都合よくたぎらせるために使うから本末転倒となる
- 何が差別に当たるかは、私たちが決める「私がエビデンス」
- フェミニズムを履き違えた結果
- 裏付ける情報の提示のケースは少なく、基本的には「当事者である私たちが決める」を貫く
- 統計的事実を提示しても印籠のごとく「私がエビデンス」をかざして「セクシスト」と認定した相手を攻撃する
- 被害者を名乗る
- 主観的な差別認定で生まれた怒りを、自己嫌悪なく燃焼させるためには、自らを被害者化する必要がある
- 被害者原理である
- 絶対被害者であり聖なる被害者である。ゆえに、異論・反論はを唱えることは一切許さない
- 世界を “被害者” と “加害者” でしか物事を考えられなくなる。沈黙する人、問題にコミットしない人も総じて “加害者” 認定する
- 実際に性暴力や虐待の被害者に対して支援を行っている人々に対して、「女性をかわいそうな存在、傷ついている存在とみなすこと自体が差別」などと攻撃するようになる
- これすごいよね。思考のレイヤーがまじ危ない
- 差別の定義は自分が決めると主張
- なお、その定義を強者へ説明するの義務はないとも主張する
- 説明しないが理解しろ!という論理的破綻
- 中立を許さない
- 炎上に関わっていない第三者も強者を決めつけ攻撃する
- スズメバチと一緒で、視界に入らないことが対処法
- 怒りのトーンについて指摘されることが一番癪に障る
- 自覚がない
- 基本はストローマン論法。歪めて反論するのはお手の物
- 自らの矛盾に気づかない
- 行動や言動に矛盾があることに気づくことがない
- ex) ジェンダー平等を主張しながら、男性を強い言葉で攻撃する
- 傷つけられたから、傷つけていい
- 被害者であることは、加害行為の免罪符になるとしている
- 「敵対すべき相手とは、きちんと敵対しなければならない」と凶暴化していく
- 暴力を正当化している時点で、それが加害行為 (ハラスメント) だと気づかない
- 対話は拒否
- 対話を求めてくる = 強者
- 韓国発の男性嫌悪本は、日本語訳されツイフェミのバイブルになる
- 男の存在自体が許せない
- ここで完成する。男に関わる全てがエサとなる
- 主語を個人から全体化させ、女性全体の怒りと主張する
- フェミニズムは本来、社会的弱者の自己定義権 (私は何者かを自分で決める権利) の獲得運動である
- 一方、ツイフェミ運動は以下 2 つのため。本末転倒である
- 社会的弱者そのものの定義 (誰が弱者なのかを決める権利)
- 代弁権 (誰が弱者を代弁できるかを決める権利) を主張する手段
- 一方、ツイフェミ運動は以下 2 つのため。本末転倒である
- ツイフェミの Twitter のアイコン、Twitter の使い方について
- 「寿司」「猫」「ロース肉」 = オス・シネ・コロス
- 「エビ」 = 私がエビデンス
- 敵対するアカウントを片っ端からフォローして、自ら不快になりたいがために、不快な情報や画像を検索して集める
- もはや熱烈なファン
- ツイフェミは他者の否定のみがアイデンティティ。結局はフェミニズムではなくミサンドリーである
LGBT が許せない
- 怒りの構造は「女が許せない」と同じ
- 議員の発言から分析すると、LGBT が許せない = 左翼が許せない
- LGBTQQIAP..と増え続ける
- 日本においては、ゲイのみが権利擁護が進んでいった。自分たちが HIV 感染リスクの高い集団であると認めることで、人権を持った主体として同性愛者を国家に認めさせることに成功
- 1980 年代、日本においてのゲイは男性のジェンダーによる同性愛者をさす
- LG の運動が活発になる一方、一部の LG が BT を排除、差別の対象とするようになる。社会的に性のマイノリティは不利になっていった
- 争いをなくそう、平等だよ → LGBT という言葉が使われるようになる
- レインボー消費 … LGBT に該当する人々の消費活動とその周辺の一般や支援者の消費活動を合わせたもの
- 2015 年、日本市場では 5.94 兆円になる
- 企業が展開する LGBT ビジネスは、ターゲットが高所得層のゲイカップルに向けられる
- MTF (Male to Female) … 身体的には男性だが、性自認が女性の人をさす
- 一部のフェミニストからは MTF の人たちが攻撃対象となる。FTM もしかり
- T の人の中には、男らしさ、女らしさを選ぶ人も少なくないため、フェミニストからは「性別二元論に囚われている」、「既存のジェンダー・ステレオタイプを強化する」として批判対象となる
- TERF … トランスジェンダーを社会的に排除する過激派フェミニスト。トランス女性を攻撃対象とする。トランスフォビア
- 先読み怒り … 怒りを分析ができない → 具体的な怒りの矛先がいない・わからない (でもイライラ) → 未発生の出来事、存在しない敵に対して怒る
- これに思考を奪われた人たちは、暴力的な言動の正当化するために、ある学問の形と僭称する
- クィア・スタティーズ … この暴走化する人たちのこと
- ツイッタークィア・スターウォーズの暴走やばい。例えるば料理のスパイスでありスパイスだけでは確実に病気になる
- いわば捉え直し
- 基本が批判。マイノリティの解放という論理そのものを疑い、あらかじめ指定された目標や使命に向かう姿勢を批判する
- クィアとは、男性同性愛者やTS女性に対する侮辱語であった
- 決められたイメージを転覆することを目指す
- クィア・スターウォーズをかじるとやばい人たち
- 自分のことを自分自身でも理解していない者が、他人や社会に理解してもらおうとする人
- アイデンティティが不安定な人ほど、何かを否定しなければアイデンティティを確認できない人
- そう、こうした人たちは既存のコミュニティやカテゴリーに所属しアイデンティティを保つ人を許せなくなる
- ゆえに、誤用する人が多々いる
- 日本のクィア会は内紛により 2015 年しゅーりょー
- ツイッタークィア・スターウォーズは永続的に炎上させることができる。燃えるものがなければ仮想でつくる。敵がいなければクィア同士で噛みつきあう。狂戦士?
- ex) 宇崎ちゃん事件に対して、大妻女子大学教授の田中東子「議論に意欲があるレスラーばかりいてリングがない状態、いわば全員が場外乱闘している状態」
- 宇崎ちゃん事件まとめ
- 不快なものを排除したい人たち → 不快になりたい人たちへ進化
- わざわざ不快になりたいのだから、表現自由という敵へ、戦火へ自らの飛び込んで焼け死んでいく
- ツイフェミにとって脱文脈化は欠かせれない。相手の発言や表現が置かれている文脈を切り捨てる!
- そもそも、ツイッターのフィルタリング等で弾けばよい不快と感じるものを自らの探して不快になることを求めている
- 会田誠の犬シリーズなど
- 芸術として確立されているため、ツイフェミでは勝つことができなかった
- 萌えコンテンツは、比較的芸術が乏しいため、ツイフェミの恰好の餌食となる
- フェミナチ、お気持ちヤクザ … 二次元キャラを撲滅しようと、あれもだめこれと卑猥と表現を封殺していくテロリスト
- 「AI が怒らないことに対して怒っている人たちは、そうした自分たちの反応こそが、AI 以上にワンパターンな内容の反復になっているという矛盾に全く気づいていない」(AI さくらの件)
ジェンダー依存がやめられない
- セックスワーカーの人たちを許せない女たち
- まず、当事者が使わない言葉や気にしていないことに突っ込んていく。代弁のつもりの自己満足
- 次に、そもそも怒り狂う人たち葉現場にいない人たち
- 結果、当事者の敵ではなく、”自分たち” の敵を攻撃することに没頭する
- 怒りのぶつける先に餓えている
- 依存者の特徴
- 共依存状態 … 似たもの同士で叩きあう状態に依存
- 敵同士が下記のような依存状態であるため、半永久的に終わらない
- 認知の歪みから発生する
- ケーキが切れない非行少年でもあったが、軽度の知的障害である
- Twitter をやっていないときも常に頭の中は Twitter でいっぱい
- 1 万円盗まれても、1000 円返してもらえれば「1000 円ももらえた!うれしい!」と喜ぶ人たち
- Twitter の TL や自分のツイートが気になって数分おきにスマホを確認する
- 「治りたくない病」、「不認の病」と呼ばれる
- ソシャゲ依存と原理は一緒。前頭葉の機能低下、発達障害
- 絶対に謝ろうとしない
- 本人が困るよりさきに周囲が困る
- 共依存状態 … 似たもの同士で叩きあう状態に依存
- p. 258 ジェンダー依存度セルフチェック
- 無自覚という言葉(使って他者を非難する投稿をした
- 他人のツイートスクショした
- ツイートのまとめを(togetter など) 作った 。または、作られた
- クソリプへの反論がやめれない
- クソリプが飛んてまくるとテンションが上がる
- より強い不快感を得られるため、惹かれる
- 嘘つき
- 安全な SNS 生活の基本
- フェミニズム、MeToo、トランス差別などのワード、ハッシュタグをミュート
- 同様にアカウントも
- 自身の投稿に怒りをのせない。妬まない、愚痴らない、怒らない
- ネットの仇はネットでうたず、法律でうつのが正しい
- 証拠集めて、3 年以内 (不法行為の時効) までに民事訴訟する
- 攻撃ではなく、原告力 (自らを被害者戸認め、権利の回復を訴える力) が大事
- ex) ジャーナリストの伊藤詩織
- 心の松葉杖にしている
- 東京大学の上野千鶴子ゼミ … 日本を代表するフェミニストからジェンダー、セクシャリティについて学ぶ場。日本最強のフェミニスト
- ゼミで学んだ人たちは、フェミニストを公言したり、ツイフェミ化する人はかなり少ない
- なぜなら、著者はゼミを通じて、フェミニズムの奥深さ戸恐ろしさの片鱗に触れたからと想定
- そして、著者も攻撃される。8 年間も誹謗中傷、違法行為を繰り返される
- 小ネタ: とある被告は 1 年間だけ誹謗中傷がなくなったことがあったが、被告に恋人が 1 年いたのだ