書評: したたかな寄生

  • 地球上には総計 870 万種の生物が生息しているにもかかわらず、そのうち 86% は未発見か、名前がないことが分かっている。分類済みの種は全体の 15% に届かない。現在の絶滅速度からすれば、多くが記録されずに姿を消してしまうと予測される
  • 遺伝子が個体よりも優先する。遺伝子は、自己に似た遺伝子を増やすことを目的とし、そのために個体を利用する
  • 延長された表現型 … 寄生者の遺伝子の一つが変異すればその変化は宿主の行動にまで影響する
  • ヤドカリと共存するイソギンチャクは、ヤドカリの貝殻に合わせて、一緒に引っ越しをする (仲良しか!!
  • アブラムシの別名はアリマキ (蟻牧)。蟻の放牧という意味からついた名前
  • 軍隊アリのストーカーをするアリドリ
  • 桜のもつアレロパシー (他感作用) … 桜はその葉からクマリンという物質を放出して、他の植物を生えにくくさせている
  • ゴキブリは全世界に約 4,000 種、世界に生息するゴキブリの総数は 1 兆 4853 億匹とも言われており、日本には 236 億匹が生息すると推定されている
  • ロボトミー手術
  • エメラルドゴキブリバチのような種が、日本には、セナガアナバチ (サトセナガアナバチ) とミツバセナガアナバチ、の 2 種がいる。どれも美しい
  • ブードゥー・ワプス見たが、イモムシの護り方がすごくキモい
  • ブードゥー・ワプスに操られたイモムシの体内には何匹かのブードゥー・ワプスが見つかっている。残った兄弟がイモムシの行動を制御している可能性があると推測される
  • 外部寄生、内部寄生、卵寄生
  • 生死に直接影響しない脂肪などの組織を重点的に食べているから
  • 寄生されたテントウムシの 1/4 が回復し元の生活に戻る。しかし、一部はまた テントウハラボソコマユバチに寄生されてしまう
  • テントウハラボソコマユバチは、ウイルスで操り、ウイルスはテントウムシの体内で複製を繰り返す
  • シスト … ハリガネムシの休眠状態。自分で殻をつくる
  • ハリガネムシに寄生された宿主は、光、そう、水の反射に反応している
  • ハリガネムシに寄生された宿主が、入水自殺することで、餌となり、生態系に重要な役割を果たしている
  • 冬虫夏草は、カブトムシやクワガタ、カミキリムシなどからはまだ発見されていない
  • 冬虫夏草で、コウモリガ科の幼虫に寄生したものは高級。絶対量が少ない幻のキノコと呼ばれている。日本にはない
  • 最終宿主で繁殖する
  • 中間宿主とは、寄生虫が、その幼少期の発育を行うために寄生する宿主のこと
  • ディクロコエリムシ (宿主はカタツムリ) → ケルカリア (寿命一日、宿主は蟻) → 蟻の体内で、メタケルカリアに成長 → あとはウシに寄生すれば繁殖できる
  • メタケルカリア (ディクロコエリムシ) は、夕方のみ蟻をマインドコントロールする
  • アカシアは蟻にとって住宅街。素の提供だけではとどまらず、葉や茎にある花外蜜腺という器官から甘くてミネラルたっぷりの蜜を提供する。蟻はアカシアに危害をもたらす虫や植物を排除するために働く。蟻は幼虫時代にアカシアの蜜しか分解できない体にされてしまう
  • フクロウムシに寄生されたオスカニはメス化
  • フクロウムシのオスはカニの体内にはいない。外側に出ている袋の片隅にいる。カニが脱皮するたびに袋とともにオスは捨てられる。洗脳されたカニは新たにオスを袋に勧誘する
  • カニビルは硬いものに産卵したいので、甲羅だろうが岩だらうが構わない
  • カニビルは日本の海域しかいないらしい。そのため、カニビルがついているカニは国産という説もある
  • 宿主を転々とし死亡率が高い寄生者は、質より数で勝負するという進化的な戦略をとる
  • 希釈効果 (きしゃくこうか) … 例えば鰯の群れ。 自分が捕食される確率を下げる。また、自分たちの代謝排出物によって、毒から身を守る効果もある
  • 微胞子虫 (びほうしちゅう) … 虫ではない。胞子で増えると考えると、どちらかと言うとカビなどの菌類に近い生物。大きさはとても小さく 1 〜 40 マイクロメートル程度。動物の細胞内に寄生する単細胞真核生物。昆虫、魚類、甲殻類、人を含む哺乳類などに感染する
  • 海外の生食はサナダムシ危険
  • 女王蟻は普段、メスしか産まず、働きアリと兵隊アリは全てメス
  • サムライアリの「労働寄生」 … 他のアリを騙し、誘拐して、奴隷のように働かせ、自分の世話をさせる
  • 体の小さい鳥は高密度で存在しており、巣もたくさんあり托卵のチャンスが増える
  • カッコウは、恒温性があまり発達しておらず、体温がその時の状態によって 10℃ 程度変化する。そうなると、卵を抱いて雛を孵すのは難しくなるという説と、托卵に依存し続けたため、卵を温める必要がなくなり、体温を一定に保てなくなったとも考えられている
  • 托卵するカッコウナマズ。托卵相手のシクリッドは子を口の中で育てる。カッコウナマズの仔稚魚 (しちぎょ) は一足先に孵化しらシクリッドの卵を食べる
  • 狂犬病の潜伏期間は、10日、3 ヶ月長いと7年という報告もある。発症する前に感染の有無を診断することはできない
  • 猫には、猫白血病ウイルス (FeLV) 、猫エイズウイルス (FIV) がある
  • ネズミのオスに感染するソウルウイルスの操作によって、テストステロンの分泌量が増え攻撃的になる
  • マラリア原虫に感染した蚊は、血が吸い上げにくくなる。そのため、次々と獲物を探し何度も血を求め人を刺すようになる
  • マラリア原虫は、人の免疫を逃れる仕組みを持っているため、人は何度も感染する。マラリア原虫にも標識になる「抗原」があるが「抗原」はたくさんの種類があり、しかも変異することが可能。 故に、2017年現在認可されたワクチンはまだない
  • ヒトの腸内に住む細菌たち (寄生者) が、全体の免疫システムコントロールし、さらにここ数年の研究では、腸や、腸内細菌が人の気分や感情人格までを微妙に変えていることがわかった
  • 腸管神経系は脳にあるニューロンの1/1000に相当し第二の脳と呼ばれている
  • 病原体を排出するために、下痢か嘔吐かを選択するのも、脳ではく腸管神経系である
  • 脳がストレスを感じると、腸がグレリンという物質を増加させる。グレリンはホルモンの一種で、空腹を感じさせるとともに、脳内のドーパミンの放出を促進させるため不安やうつ病症状を軽減する
  • 細菌叢 (さいきんそう) … 消化器官におよそ 100 兆個の微生物からなる。人は 3 歳までに完成する。 腸内細菌叢の構成は、その人の人生をダイナミックに変わっていく。遺伝的要因も大きいが日々の食事、ストレス、薬、運動などの環境要因によって変化していく
  • ストレス耐性は腸内の細菌と密接な関係にある
  • プロバイオティック乳製品を摂取することで、脳がストレスに反応しにくく、ストレスに苦しむことが減ったという実験結果がある
  • 腸内細菌の存在が、気分を左右する「セロトニン」や、学習や記憶に不可欠な「BDNF」や、恐怖学習に必要な「グルタミン酸」などの脳内物質に影響し、気分や行動、学習、記憶にまで影響を及ぼす可能性がある
  • 腸内細菌は成長段階において、脳に影響するかもしれない
  • 人にも感染するトキソプラズマ
  • トキソプラズマに感染した男性は、集中力の欠如が見られ、危険な行動に走ったり、独断的で、疑い深く、嫉妬深くなる傾向がある。しかし、女性の結果は男性とは逆になり、社会的で、有効的で、自信があり、感受性や愛情が豊かな傾向がある。 男女ともに共通していたのは、感染した人の方が、不安、罪悪感、自己批判的な傾向が強く見られた
  • 地球上には未発見の生物も多く存在し、それらの共存関係についても、そのほとんどが未知のまま。この先も驚愕するような生物同士の関係が発見されていくかもしれない
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