霊長類の話はおもしろいな。とくにチンパンジー
互恵性の研究気になるな
乾杯は共感だろうか。相手に酒をすすめ一緒に酔わすのは共感を求めているのだろうか
- 自閉症の子はあくびに影響を受けない
- 赤子は親を真似る。どうやって自分の体をマッピングしているのだろう
- オランダ人はケチだが、レストランで注文を復唱するウェイトレスにチップをあげる。人間は自分の模倣者が大好きなのだ
- 頚椎脱臼は手早く人道的
- 愛玩動物は、ストレスを減らしてくれ、心臓病を抱える人は飼うように勧められることが次第に多くなっている
- 人の怒りを読み取る際、表情やり姿勢を信頼する。別紙参照
- 身体先行説 … まず、体からはじまって感情がそれに合わせるという。形だけ微笑ませて風刺漫画を見せると、被験者は面白いと感じる
- 感情先行説 … 「私は恐ろしいに違いない。なぜなら、走って逃げているからだ」は不自然に思える。感情が私たちを動かすのではないのか?「私は走って逃げている。なぜなら恐ろしいからだ」であるべきでは?人を動かす感情が先にあるべきだ
- 姿勢や動きより、顔が感情のハイウェイであることに変わりはない。顔は他者との最も迅速なつながりを提供してくれる。顔が動かせれない人や麻痺している人が強い孤独を感じ、気分が落ち込み気味になり自殺することさえある
- チンパンジー。母親は衝動的でとっさの時に頭が働かなくなってしまう。オスは冷静さを失わない
- 私たちは低コストの援助 (利他的行為) を一般的にやっている。道を教えたりとかね。人間はこの手こ援助が得意だ。だが、タイタニックが沈み始めた途端、こうした行動は消えてしまう
- 人間は地球上で一番ナルシスト
- ヒヒのストレス値測定。 ヒヒの糞からコルチコステロンというストレスホルモンを抽出する
- 恐ろしい捕食者が、自分の身内の骨を文字通りバリバリと噛み砕く音を聞いた残されたヒヒのストレス数値は高かった
- 近親者に死なれたヒヒは、そうでないヒヒより、仲間をたっぷりとグルーミングする
- 「指摘」に言語は必要ないのかもしれない。まま研究途中。だが、チンパンジーは「指摘」をする。人差し指であったり視線であったり
- 人間はたえず指を指す。そして、相手が指し示す方に自動的に目をやる
- K2 伝説の団結力はシカを追った。だが、ウサギを追うチームもあった
- オマキザルの「手指挿入」、「眼球突き」。危険なゲームである。痛みと喜びの境界をさぐっているのか?相手の信頼を試しているのか
- 魚の掃除屋は信頼を損ねてしまったら、背びれで客の腹をくすぐる「接触マッサージ」で信頼を取り戻す
- ウィリアムズ症候群 … 生まれつき遺伝子に欠陥があり誰でも信じてしまう
- 治安がよく世界一幸福度が高いデンマークは、赤ちゃんに新鮮な空気を吸わせるために外に放置する
- フィールドワーカーのシャワー … チンパンジーは興奮するとおびただしく排便をする
- 私たちは互恵性 (ごけいせい) に細心の注意を払う。 互恵性が社会の中心原理であることを考えれば当然だ。互恵的行為のほとんどは口に出さずに行われる。過去に施した互恵の話を持ち出すのは、無礼とみなされる
- 感謝の年が足りない人とはかかわらなければいい。必要なのは最良のパートナーだ
- サルは努力と報酬を結びつけているかもしれない。十分な報酬がもらえなければストライキをする
- 敵意を示されると、敵意を返す。優しくされると、優しくする
- アルファメイルは仲間を餌付けで買収する。選挙に立候補した政治家は赤子を高い高いする
- 人間が公平さを求めるのは、このようなネガティブな反応 (暴力でしかえしなど) を防ぐためだと思われる
- サルの場合は、与えることによる「温情効果」は、受益者を実際にその目で確認するときしか生じない。人は想像力で地球の裏側にいる受益者のイメージもできる
- 想像力こそ豊かさではないのだろうか
- 格差のアメリカ。平等なヨーロッパ。だが、ヨーロッパではやる気を掻き立てるような仕組みがない
- ロビンフッドは正しかった。人間の心からの願いは、富を行き渡らせることなのだ
- アムネスティ・インターナショナル … 共感の欠如と闘うための共感を訴える組織
- 共感、他者の視点を獲得する能力は、人道に対する罪、拷問でも依存される
- 女は共感力がある。男はない
- だが、男は、親や妻や子供や親友など、愛する人々について訊かれるとたっぷり共感を示す。「入口 (スイッチ)」が開いているときは、男も女に劣らず共感的になれる
- 男がアクション映画を好む傾向があるのもこれだ。もし敵に同情してたら見てられない
- 利益を追求したり競争が働くと、入口は閉じる
- テストステロンは共感の欠如になるのかな
- ディスプレイ … チンパンジーは行動によって自分の力を誇示する。壁を叩いたり、丸太を転がしたり、ポリタンクを放り投げたりと、さまざまな方法で周りの個体に自分の強さをアピールする
- 男には少しは共感がある。兵士は相手も殺すことよりも照準を外すことを考える
- 南北戦争の北軍の将軍で、焦土戦術で有名なウィリアム・シャーマンは戦争について何一ついい事を言っていない「戦争にはもう辟易する。戦争の栄誉などすべて戯言にすぎない。血を、復習を、破壊を、と声高に求めるのは、銃を撃ったことも、傷ついた者たちの悲鳴やうめきを聞いたこともない者だけだ。戦争は地獄である」
- 霊長類学は「役に立たない学問」の典型のように思われるかもしれないが、本書は霊長類学が社会に根本的な提案をすることもできることを示した重要な書物の一冊といえる