書評: 華氏451度

吉本隆明も言っていた。考える時間を確保しなければならないと。本書は焚書がテーマの SF 作品である。全体としてはぐあーっと読んでしまえるおもしろいさだった。新訳だから読みやすかったのかもしれない (役者あとがき参)。

しびれる箇所

  • 「民衆により多くのスポーツを。団体精神を育み、面白さを追求しよう。そうすれば人間、ものを考える必要がなくなる。」
  • 「もっとスポーツ組織をつくれ、本にはもっとマンガを入れろ!もっと写真をはさめ。心が吸収する量がどんどん減る。」
  • 「目には不思議なもの、びっくりするようなものを詰めこめ。…」
  • 「自動的な反射作用」

この刺激で忙しい生活になれば思考は落ちる。否、思考しない人間の出来上がりだ。書物に触れるのはいつでも孤独だ。そこでまとまった時間こそ考える時間である。第二の言語ともいうやつだ。

書物が必要な理由

  • 書物には本質が秘められている。毛穴がある!!
  • 余暇 (孤独の時間、自分自身の言語、考える時間)

華氏451度 (原書) はプレイボーイで連載されたようで、著者「というわけで、ベッドの下にプレイボーイを山と積んでいる若い男性諸君へ教えておくと、あの山を置いたのはわたしなんだ」には笑った

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