書評: ヤバい経済学 [増補改訂版]

望月衛 (翻訳者) の本が読みやすくおもしろい。この本はそういった理由がきっかけで読んでみたのだが、やはりおもしろかった。「あるある」ネタを物語調でたんたんと進んでいける。人生は実験の連続だと知れるだろう。

  • 経済学はインセンティブ (動機づけ) の学問
    • 人は自分が欲しいものをどうやって手に入れるのか。特に他の人も同じものを欲しがっているときにどうするのか。それを考える学問
  • インセンティブは人にいいことをさせ、もっと悪いことをさせないための方法にすぎない
  • 道徳的インセンティブ (罪の意識) を、経済的インセンティブ (罰金) に置き換えてはならない
    • 保育園の例。毎日数ドルで免罪符が買えてしまう
  • インチキは経済学の基本原理に基づく行動
  • 出会い系において、ブロンド (100ドル) と大学卒業証明書 (10万ドル) は同価値
  • ゲットー … 少数民族が (強制を含め) 集まり暮らすスラム街。アメリカでは貧しい黒人たちが住む場所をいう
  • 目先の暴力は市場を潰す
  • 死刑という負のインセンティブは有効ではない
  • フレディ法 … 重購入時に身元チェック。ブラックマーケットが発達するので経済学的には無意味
  • 中絶の廃止は、主に貧困層において教育水準の低下にともない犯罪者の増加の要因となる
  • 中絶の高い地域は低い地域に比べ、 30% も犯罪が減っている
  • 時間あたりの死ぬ確率が、死への恐怖の測定に役立つ
    • 映画 インターステラー (Interstellar) で「恐怖をプログラミングすることはできない」
  • リスク = 危険 + 恐れ
  • 8年生 (13歳) 時のテストの成績を調整すると、所得格差は完全に消える
  • 母親は最初の子供を 30 歳以上で生んだ家の子供の成績はいいことが多い
  • 子供の成績は、育ての親の知能指数より生みの親の知能指数にずっと強い影響を受ける。そして子供を養子に出す母親は受け取る人たちに比べて知能指数が大幅に低い傾向がある (注意: 知能指数とその後の人生の成功は必ずしも紐付か ない)
  • 本は知恵を与えるものではなく、知恵を写すもの
  • キラキラネーム (ユニークな名前) が誇れるものは前科の長さだけになる傾向がある
  • 女の子の方がユニークなキラキラネームがつけられる
  • 親の教育水準と所得とキラキラネームは関連する
  • 高所得・高学歴の親で流行した子供の名前が、社会・経済のはしごを下へ伝わっていく
  • 猿の売春が目撃されている (支払いは雄)
  • 警官の数と犯罪年数は反比例だが、実際は中絶か
    • あの街
  • 食べ物がないとお腹は減りにくくなる
  • 脂肪は貯金
  • 昔は投票にインセンティブがあった。ウィスキー、豚、麦
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