How to Win Friends and Influence People
有名な書のようで、一度は手にとってみるべきとページをめくってみたら、なんとも読みやすく、ふけってしまった。よく聞く話の連続だが、それらの今まで読んだ書物の元祖なのだろうか。各章の具体的な話が大変わかりやすい。多くの響く言葉がありました。
15 年に及ぶカーネギーの指導の現場から生まれた本書。すべて著者の経験済みのものばかりだ。訳者あとがきにある、昭和 28 年に、カーネギーが関西を訪れ「日本で一番印象の深かったものは?」「それは日本人です」と言い残した。カーネギーは人間に対する関心が深い。
全体と通して感じたのが「謙虚」「誠実」である。
人を動かす三原則
- 人を非難することの無益さ
- 人間の天性は、自分のことを棚にあげて人のことを言いたがる
- すべてを知れば、すべてを許すことになる
- 父は忘れる
- 『1. 批判も非難もしない。苦情も言わない』
- 人を自ら動かすには、相手のほしがっているものを与えるしかない。あらゆる行動は二つに分類される
-
- 性の衝動
-
- 偉くなりたいという願望: つまりは、重要人物たらんとする欲求
-
- この「自己の重要感」に善悪はない。満たすための方法の違いがあるだけ
- 『2. 素直で、誠実な評価を与える』
- 自尊心が約束を守らせる (ex ジョニーのおねしょ
- 自己主張できる場を与えてあげて自尊心をもたせる
- 『3. 強い欲求を起こさせる』
人に好かれる六原則
- 興味を引かせるより、相手に誠意ある関心をもつ
- ぴゅあぴゅあな犬のように
- 我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる
- 『1. 誠実な関心を寄せる』
- 笑顔を使いきった人間ほど、笑顔を必要とする
- 『2. 笑顔で接する』
- 人は自分の名前には関心がある
- 相手の名前を覚え呼んで、重要感を持たせる。政治家の鉄則
- 「良い習慣は、わずかな犠牲を積み重ねることによってつくられる」
- 『3. 名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない』
- 教養が身につかない人間は、自分のことばかり話し、自分のことしか考えれない
- 『4. 聞き手にまわる』
- 毛ほども興味がないことでも、相手のために研究しておく
- 『5. 相手の関心を見抜いて話題にする』
- 人間は誰しも自分の真価を認めてほしい
- 知識は褒めるために必要なものだ
- 大英国の政治家ディズレーリ「人と話をするときは、その人自身を話題にする。何時間でもこちらの話を聞いてくれる」
- 『6. 重要感を与えるー誠意を込めて』
人を説得する十二原則
- 議論で勝ってもむなしい勝利。そして、相手の好意は絶対に勝ち得られない
- 相手の好意を勝ち得る > 理論闘争の勝利
- 自分の重要性が認められると、親切な人間に変わる
- 「細道で犬に出会ったら、権利を主張かざして噛まれるよりも、道を譲ったほうが賢明だ。たとえ犬を殺したとて、噛まれた傷は治らない」
- 口論が生じないための心がけ
- 意見の不一致を歓迎: 指摘を感謝しよう
- 自己防衛本能を制御: 不快な状況に直面したとき、冷静に構え「自身の最悪の人柄」の突出を抑えねばならない
- 腹を立ててはいけない: 何に腹を立てるか、それで人間の大きさが決まる
- まず相手の言葉に耳を傾ける: 相手の意見を最後まで聞く
- 意見が一致する点を探す: 相手の主張を聞いたら、まず賛成できる点を話す
- 素直であれ: 自分の間違っていると思う点を探し、素直に認めて謝る
- 相手の意見をよく考えてみると約束し、その約束を実行する: 事をはるかに簡単にするため
- 相手が反対するのは関心があるからだ。大いに感謝するべき: 論敵は味方になる
- 早まった行動は避け、双方考え直す時間を置く: 問題点を客観的にみる
- 喧嘩になったら、まず黙って相手の主張み耳を傾ける。良きパートナーの双方の取り決めにすべき
- 『1. 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける』
- ソクラテスですら自分は何も知らないという。人間謙虚が一番
- 「おそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。一つ事実をよく考えてみましょう」
- 『2. 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない』
- 人の非難よりも自己批判のほうが気が楽。先手でいこう
- 自分が間違っていることの方が多いのだから、快く誤りを認めよう
- 『3. 自分の誤りを直ちに快く認める』
- バケツ一杯の苦汁よりも一滴の蜂蜜のほうが多くのハエがとれる
- やはり謙虚であれだな
- 『4. 穏やかに話す』
- はじめにノーを言わせると、その後イエスに変えるのは難しい
- 『5. 相手が即座に “イエス” と答える問題を選ぶ』
- 敵をつくるには友に勝ち、味方をつくりには友に勝たせる
- みな自慢話をしたいので耳を傾ける
- 『6. 相手にしゃべらせる』
- そもそも人は、自分の意見 > 他人の意見
- 大きな意思で包むように、相手を誘導する。賢者のように
- 『7. 相手に思いつかせる』
- 非難は馬鹿でもできる。賢明な人間は、相手を理解しようと努める
- あらかじめ、言うべきことを十分考え、それに対して相手がなんと答えるか、はっきりと見当がつくまで思考をやめない
- 『8. 人の身になる』
- 人は不幸アピールが好き
- 相手に同情することで感情にうったえて話を思うままにすすめる
- 『9. 相手の考えや希望に対して同情を寄せる』
- 人間は誰でも正直で、義務を果たしたいと思っている
- 『10. 人の美しい心情に呼びかける』
- 『11. 演出を考える』
- 仕事には他人より優れているという競争心を利用すべき
- 優位を占めたいという欲求
- 対抗意識
- 負けじ魂
- 男の気迫
- 成功者はみなゲームが好き。自己表現の機会が与えられるからだ。存分に腕をふるって相手に打ち勝つ機会
- 『12. 対抗意識を刺激する』
人を変える九原則
- 失敗の指摘などをおこなう際、まず相手をほめる。心の麻酔となり互いによい関係を築ける
- 『1. まず褒める』
- 褒めたあと、「しかし」を使って、次に非難すると、褒めたことを疑いはじめるため、使ってはならない。「そして」を使い遠まわしに注意するのだ
- 遠まわしは、直接批判されることに強い反発をする神経質な人たちにはさらに効果的
- 注意をほのめかす言い回し
- 『2. 遠まわしに注意を与える』
- 人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済む
- タバコの誘惑に負け、そのために多大な損をしたと自分の誤りを認めただけ
- そう伝えた結果、デイヴィッドはタバコをやめた
- 『3. まず自分の誤りを話したあと相手に注意する』
- 命令はだめ。質問/提案の形式に変えることで気持ちよく受け入れられる
- 『4. 命令せず、意見を求める』
- たとえ自分が正しく、相手が絶対に間違っていても、その顔をつぶすことは、相手の自尊心を傷つけるだけに終わる
- サン・テグジュペリ「相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪だ」
- 『5. 顔を立てる』
- 小さなことでもほめる。ただし、心からの言葉ではないと逆効果
- 批判によって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く
- 『6. わずかなことでも惜しみなく心からほめる』
- 期待を持たせることで、目標への向上をはからせる。与えられた評価で人は変身できる
- 良い評価を与えられたトミーは、評価どおりになろう、先生の期待を裏切るまいと努力した
- 『7. 期待をかける』
- 長所をほめちぎり激励する。それが自信となり人は変われる
- 『8. 激励して、能力に自信を持たせる』
- 相応以上の責任と肩書きを与えることで、肩書き以上の仕事を完遂できる
- 肩書き、つまりは「権威」を与えることで功を奏す
- 人を変える必要が生じた場合考えること
- 誠実であれ、守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけを考えよ
- 相手に期待する協力は何か、明確に把握せよ
- 相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
- あなたに協力すれば相手はどんな利益があるか?
- 望みどおりの利益を相手に与えよ
- 人に物を頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ
- 『9. 喜んで協力させる』
付録: 幸福な家庭をつくる七原則
- 相手に対する小言や怒りで変わるものは、自分に対する「態度」だけ
- 「世の妻たちは、口やかましい小言によって、結婚の墓穴を掘り続けている」
- 『1. 口やかましく言わない』
- 夫の仕事に対して絶対の信頼寄せる
- 彼女は決して完全な妻ではなかったが、とにかく三十年間、飽きずに夫のことばかり話し、夫をほめ通した。その結果「結婚して三十年になるが、私は、いまだに倦怠期というものを知らない」とディズレーリに言わせた
- 『2. 長所を認める』
- イギリスの大宰相グラッドストンは、一歩家に入れば、非難がましいことは言わなかった
- 肉を焼きすぎた場合、一言も文句を言わずに笑ってそれを食べた
- 『3. あら探しをしない』
- 男性は、自分を美しく見せようとする女性の努力を、賞賛すべき。女性は服装に対して驚くべき関心を持っている。このことについては、男性は無関心すぎる
- ハリウッドでは、結婚は賭博に等しい。その危険率には、保険屋も尻込みする
- 女性が夫によって幸福を与えられるとすれば、その幸福は、夫の賞賛と愛情以外のどこにもない。結果、夫の幸福もまた保証される
- 『4. ほめる』
- 世の夫たちは、一束のスイレンも家に持って帰ろうとしない
- 女性は誕生日や記念日を重視する。男性にはわからない
- 夫の妻に対する、ささやかな心尽くしの価値を軽く見る男性が多すぎる
- 『5. ささやかな心尽くしを怠らない』
- 無作法は愛情を破壊する
- 礼儀は結婚生活の潤滑油
- 男が仕事に注ぐ熱意を、なぜ家庭に注げないのか、女性にはわからない
- 『6. 礼儀を守る』
- 離婚原因の十中八九は性生活の不満
- 家庭生活の権威ポール・ポピノー博士の説: 結婚の失敗の原因とその順位
- 性生活の不調和
- 余暇利用方法についての意見の不一致
- 経済的な困難
- 心身の異常
- 「結婚生活を幸福にする要素はいろいろあり、性の問題は、その一つにすぎない。だが、性の均衡が破れると、他の要素はいっさい無駄になる」
- 正しい性の知識を得るにはどうすればいいのか?「結婚生活の考え方と実際について、割り切った態度で、遠慮なく論議を重ねることだ。一番良いのは、性知識を正しく教える適当な書物を読むことだ」
- 『7. 正しい性の知識を持つ』