Google先生が子供たちの教育を変える

「子供たちが興味を抱いたときに、そこに教育が生まれる」

Sugata Mitra: The child-driven education

http://www.ted.com/talks/sugata_mitra_the_child_driven_education.html

教育科学者のスガタ・ミトラさんのTEDです。日本語字幕もあるのでぜひ見てほしい。

わたしの所感をまとめました。

優秀な教師が足りない。

今、世界中の教育では優秀な教師がが一番必要とされる場所(発展途上国)に存在しないということだ。優秀な教師は自ら危険な地へおもむくことはないのだから。

インドで行われた実験

街中に置かれたパソコンを使って検索する子供たち
街中に置かれたパソコンを使って検索する子供たち

1999年にインドで行なわれた教育実験が大変興味深い結果を出している。実験とは街中にインターネットにつながったパソコンを数台設置(もちろん無料)をしたことだ。この設置されたパソコンに街中の子供たちは興味を抱き、自身で疑問を知るために一日中Google検索をしていることがわかった。それからしばらくすると、子供たちの中で先生役をする者がでてきて人に教えるという環境ができてきたのだ。

「子供たちが興味を抱いたときに、そこに教育が生まれる」

1台のパソコンを共有して使う子供たち
1台のパソコンを共有して使う子供たち

わたしはこのフレーズに心が踊った。これこそが確信ではないのだろうか。学校に教育が生まれるのではない、子供たちが興味を抱いたときが教育の生まれるのだ。さらに実験では興味深いことが行われている。

教師の問いからインターネットでさがす子供たち

教師が問題を出す。すると子供たちはグループに別れ1台のパソコンを複数の友だち同士で使い答えをインターネットから

見つけ出す。すると検索した結果答えを見つけ出す子供たち。最初は違えど、友だち同士でディスカッションするにつれて回答へ近づき、見事に短時間で正解を導き出した。

これでは知識として身にならないのではないのか?と疑問を抱かれるでしょう。しばらくこの環境で学習をしたすえ、子供たちはペーパーテストで見事に合格点をだした。これはなぜなのだろう。

最大の学習方法は人に教えること

この実験で行われた学習方法のキモとなるのが子供たち同士のディスカッションだ。検索の結果得られる答えに関して問いかけ合うことで体験となり記憶に残る。友だちと一緒に調べたことが体験となり記憶になる。そう、ストーリー性をつくり覚えるという記憶方法があるように、この実験で子供たちは自然とそれを行っていたということだ。

Apple社の故郷であるクパティーノで行われた教育実験でオープンスクール実験というものがあった。これはあくまでも参考だが、子供は年の近い子供から教わるほうが伸びる傾向があるようだ。また、人に教えることは理解することが前提となり、人に教えることが最大の学習方法になるというものだ。

教師の役割

教える役目である教師は子供たち同士であり、Google先生であるとすれば、教師の役割はなんだのだろうか。教師はいらないのだろうか。

わたしの答えは教師は必要であり、教師の役割は「疑問を問いかけること」「ホメること」である、教師が教えることはナンセンスではないだろうか。

インターネット、デバイスがもたらす興味の加速

インターネットの普及は「知りたい」という思いをすぐに叶えれる時代となり、インターネット接続デバイスの普及は人と人の距離を縮めることに成功している。動画内で出てくる「おばーちゃんネット」がまさにそれだ。おばーちゃんネットはボラディアで集まったおばーちゃんに1 週間に1度インターネットをしてもらうというもの。先人知恵袋であるおばーちゃんがインターネットのスカイプを通じて2年間で600時間もの教育が生まれたのだ!すべてのおばーちゃんがどこの学校にも登場する。素晴らしい。

わたしはインターネットに接続できるデバイスは新しい教育の現場に入るパスポートと考えている。だから安価なデバイスの登場よりデバイス革命が起こることで、すべての子供たちの興味が世界中に広がることができる。

デバイスの革命が人と人の距離を縮め、人と人の疑問と答えの距離を縮めることができ、子供たちの興味がどんどん加速していく環境をつくることが望まれているのではないのだろうか。ぜひそんな未来を描いていきたい。

Sugata Mitra: The child-driven education

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