東洋大学桐生正幸教授の犯罪心理の入門書が出た。先日、「親愛なる僕へ殺意をこめて」という漫画がおもしろくて、こういう思考って役立つなと、本書を手にとってみた。犯罪といえば、並行して読んでいるオールド・テロリストすごくおもしろい!!個人的には村上龍本では、愛と幻想のファシズムにつぐ。
- 犯罪学者マーカス・フェルソン
- 犯罪 = (犯罪者 + 対象 – 監視者) (場所 + 時間)
- 日常生活理論
- 要因は人が全てではない
- ex) “深夜” に “繁華街” を歩けば犯罪に遭遇するリスクが上がる
- 監視者 = 第三者。監視者の存在は大きな研究テーマ。有能な監視者がいると犯罪は防がれる
- 落書きは自己顕示欲の誇示
- 「スリに注意」の標識を見た人がポケットにあるか確認 → スリが財布の場所を把握して犯罪に利用
- ひったくりは、週末遊ぶ金ほしさの (金) と、週末で散財して資金不足 (月) が多い
- 減る監視者外 … 外で遊ばない子供、井戸端会議をしなくなった主婦、スマホしか見ない若者など
- バンデューラのボボ人形実験 … ex) 暴力などの肯定で、子どもたちに強い攻撃性が出る
- 傍観者効果の活用 … 自分以外に多くの人が犯罪を目の当たりにしているとき
- 国内では、大阪が犯罪率ぶっちぎり。犯罪するなら大阪に集合
- 大量殺人は自殺のため、連続殺人は快楽のため
- 大量殺人は「個人的な恨み」の時代から、大阪教育大学附属池田小事件 (2001年) では「殺すのは誰でもいい」へ “質” が変化した
- 女性の連続殺人の動機は「お金」or 「承認欲求」
- 殺害直後にアキレス腱など全身の健を切れば、死後硬直後でも関節が曲がるので運びやすい
- 自己を正当化する犯罪者
- 暗数 (あんすう) … 発生した犯罪のうち統計には現れない数字
- 教師による性犯罪は、教師からされている行為の判別がつかないケースも多く、暗数を含めれば、実際の認知件数はもっと多いと推測される
- 教師による性犯罪の要因
- 学校の特殊な閉鎖性。「教育指導のため使用」と個室の教室を使い放題
- 年齢的にも立場敵にも「支配的な存在」であり、子どもたちをコントロールしやすい
- たとえ事件が発生しても、隠蔽体質により公表をウヤムヤにする組織の体制
- 身内の犯罪に甘く
- 警察官の懲戒処分の理由で最も多いのが「異性関係 (セクハラ、強制わいせつ、盗撮など」
- 警察は強い権力を行使しているため、「このぐらいなら許されるだろう」と認知のゆがみが発生する
- 教師の性犯罪の要因がすべて警察にも当てはまる
- 増える老人の万引き。孤独な老人が万引きに手を染める
- 性犯罪の半数は再犯し、さらに再犯率は年々上昇している
- 110 の 34% はいたずらや相談といって緊急性のない内容
- STR 型検査法 … 99.999% 個人特定できる DNA 鑑定。日本はこれ
- 抜け落ちた髪で分析は難しい。吸い殻のがベスト
- プロファイラー … 科学捜査研究所の心理研究員。全国に 130 人在籍。多くは大学院などで心理学を学んだ人たちであり、警察官ではない
- CIS-CATS .. 警視庁にはる犯罪データベース。現在、犯罪者プロファイリングは AI とビッグデータの組み合わせで予測を行う
- 犯罪予測ソフトウェア「クライムナビ」
- シンギュラーパータベーションズ社
- https://www.singularps.com
- 花は人に注目されるアイテムのため、監視者の目につき防犯効果がある
- パトラン
- http://patorun.com
- 有志のランナーが走りながら危険エリアの見回りを行う
- 児童虐待の件数も年々増えている
- ちなみに、フランク・ギャラガーの育児の秘訣は「ネグレクト」だ
- 児童虐待かもしれないと思ったら
- 通告は発見者の義務
- 匿名でよい。通告者、相談者の情報は伏せられる
- 確認不要、たとえ虐待でなくても通告者の責任は問われない
- 家庭内暴力 (子供が親に暴力を振るう行為) の加害者の特徴
- 自分に自信がない
- 引っ込み思案
- わがまま
- 挫折感、劣等感を強く感じる
- 友人が少なく、孤立敵
- サイバーストーカー (ネットストーカー) の増加、高齢者ストーカーの増加
- 参) 老人たちの裏社会
- 以前、話題になった SNS 闇金の手口おもしろいよね
- ストーカー加害者の 1/4 人が自覚なし
- 振り込め詐欺被害者の 6 割が 70 歳以上の女性
- 人は「維持する社会的地位がなく、問題解決の方法が殺人しかなく、残虐だと感じず、動機があれば人を殺す」