べらぼうに読みやすかった。生産性を生むには労働時間にスラックが必要とわかった。自分自信の行動にも当てはまることだが、「なぜ、そんなこともできないの?」偏見と疑問が消えることになる新しい発見だった。3 回読み直したが、図書館のものなので、これは購入しておくべきだな。
疑問
- 意図的に欠乏させ集中ボーナスをつくることはできるのか
- 実践できていないが、備えつつ、トンネリングの内側に真なるものを置く感覚だろう
メモ
- 飢えの欠乏実験で、被験者は食べ物関連のワードをはじめ、すべて食べ物に思考を奪われ集中力を失った
- 締め切りが迫っている場合、現金が不足している場合、人は目の前の課題に集中する。このように欠乏は重要であり、注意を払う価値があるからこそ、人の心を占拠する
- これを集中ボーナスと呼ぶ
- ゲームでも残弾がないほど慎重に撃つ (集中するのだ
- この占拠は制御できず、欠乏が増えるほど処理能力が追いつかなくなる
- ex) 貫徹するより貧しいことのほうが、人の認識力を大きく衰えさせる。貧困者が個人として処理能力が低いのではないそうではなく、貧困の経験が人の処理能力を奪うのだ
- 欠乏が欠乏を長引かせる
- なぜ貧しい人は貧しいままなのか
- なぜ忙しい人は忙しいままなのか
- なぜ孤独な人は孤独なままなのか
- なぜダイエットは大抵失敗するのか
- 欠乏は人の注意を占拠しそれが限定的な強みをもたらす。しかしもっと広く考えるとそれには代償が伴う。人はそれ以外の心配事ををほったらかしにし、生活の他の面でも能力が低下する
- ex) 消防士は消防車から投げ出されて死亡する
- これは時間の欠乏より “トンネリング” を引き起こし、それの代償として事故が多発する
- トンネリング … いわば視野狭窄。トンネルの中に入ると中は鮮明に見えるが外側は見えなくなる
- ex) 誰に腹を立ているとき、その人の長所を思い出すのが難しくなる
- [危険] トンネリングはマルチタスクを促すが、時間の節約はトンネルの内側にあるが、生じるリスクは大抵トンネルの外にある
- 目標抑制 … 競合する目標が締め出されてしまう。ex: “白” 連想で、牛乳、雪で他の白いものが連想できなくなるやつ
- 複数の作業をマルチタスクでやろうとするのも、トンネリングの兆候
- どれも時間を短縮できるだろうが、代償がともなう
- ex) 通話や食事などのながら運転 (飲酒運転より事故のリスクがあると研究で証明されている
- ex) 通話しながらメールチェック
- 貧しい人は処理能力の一部が他で使われているため、劣っているように “見える”
- PC と同じでバックグラウンドで他の処理が行われているとメインの処理が落ちるように
- 処理能力に負荷がかけられると、控えたいケーキを食べることにしろ、言うつもりがない言葉を口走ることにしろ、衝動を抑えるのは難しくなる
- 欠乏は処理能力に負荷をかけるので、自制心を弱める可能性がある
- 農家で貧富の差を実験
- 収穫前 (貧しい) の方が、流動性知能と実行制御のテスト結果が悪かった
- 生理学的尺度からも、栄養不足は認知機能障害を引き起こさないことが分かっている
- ダイエットで食べ物減らしても思考はにぶらない
- 孤独による欠乏
- 両耳分離聴検査、右耳は言語処理が楽なため、左耳で聞くと処理能力が落ちる。左耳で聞くためには実行制御力が必要。孤独な被験者はこのテストの結果が悪かった
- 孤独になると (思い込まさせると) 、被験者は 2 倍近く食べた。日常で孤独を感じる人たちは、脂っこい食べ物の摂取量がかなり多かった。孤独はデブる、ダイエットに失敗する
- スーツケースの空き、欠乏が欠乏を生む
- 欠乏でトレードオフ思考になる。ex: これを買わなければ、あれが買えるのでは
- 貧しい人にとってはスーツケースから漏れたものが貴重なものであり、その物に対してトンネリングが起きる
- スラック … いわゆる (スーツなど) でのゆとり
- ここでは、意図的に使わず残すスペースではなく、豊かな環境で荷造りする副産物
- 時間のスラックがあればダラダラ過ごし、お金のスラックがあれば無駄遣いをする
- 選択の自由を与えてくれる!!ex) 「図書館いかねば、でも行きたい公演」より、「図書館いかねば、でも行きたい公演、観たい映画」とあれぼ、図書館へ行くが増える
- あらゆるゆとり、気にしなくてよくなるゆとりの獲得。いわば、心の贅沢
- ヘンリー・デイビッド・ソロー「人の豊かさは気にしないでいられるものの数に比例する」
- ミツバチの巣作りには大量のロウ (もとはミツ) が必要で貧困 (欠乏する)、方やドロバチは大量の泥で巣作りのため豊かである
- ミツバチは効率よく作らねばならない結果があのすばらしい建造物だ
- 限界効用逓減 … 持っているものが増えれば増えるほど、ひとつ増えたときのありがたみは減る
- キャビネット・キャスタウェイ … 見捨てられたもの。食品研究者が名付けた。ex) 長い間使われていないソース類など
- 人は皆将来の計画に関して楽観的である
- しかし、時間的スラックがあれば失敗できる。やり直せれる
- 誘惑税 … 経済学者のアビジット・バナジー「逆進税であり貧しい人に重く課される」 ex) 誘惑に負け、高価なものを買って、物が悪く失敗した貧しいベン
- 欠乏で人は慎重になるというわけではなく、やはり誘惑に負けて大きな失敗を招く。失敗できる余裕がないだけではなく、失敗する場面が増える
- 洗濯用洗剤のメーカーは、容器が大きいほど人は大量には使うと知っている
- 消費者製品の卑劣なトリック … 価格に注意せず、大きい製品のほうがお得と思い込んでいる消費者
- 低所得層の近隣スーパーはこの大量購入割増金がほぼない。低所得層は 1 ドルに注意を払うため警戒される
- 豊かさのせいで人は 1 ドルの価値を知ることができない
- 金欠になると、ローンが魅力的に見える。欠乏しトンネリングを起こしてメリットだけが内側に、デメリットの部分は (将来倍になって返るもの) 外にあり見えなくなる
- 重要だが緊急ではない活動を後回しにするのは借金と似ている
- 将来得られる利益が大きくなる可能性があっても、人は小さいことに気を奪われる
- 政府の仕事でよく見られる。ex) 老朽化した橋は重要だが緊急ではない
- 緊急の課題が蓄積されるとジャグリング状態になり、次々にやりくりしなければならなくなり、将来設計はもとより、今だけで詰む。問題解決しないでそのまま上に投げてしまうのだ!
- クイズ番組実験例すごい
- 貧民 (回答時間短い) は、富豪 (長い) より集中することで回答がよい
- 問題の予告をするしたケースでは、富豪の回答がよくなった。つまり、計画が立てれるのだ!
- 貧民はいまのことに集中しているため、次に予告があっても考えれない。計画が立てれないのだ
- 人は忙しいとき、外食が (将来) 健康にもたらす代償を無視する
- スティーヴン・ライト「時間があればどこだって徒歩圏内だ。」
- 倹約になろうと我慢我慢しても意思力は負ける
- 意思力は (筋肉にたとえると) 疲労する。誘惑は遠くにおかねばならない。意識外におかねばならない
- 孤独な人は集中しすぎる
- 誰かに評価されるという前提で話をすると興味深くない
- しかし、誰も聞かないのであればに興味深い話になった
- これは、大事・チャンスと思うとうまくいなかいのだ。孤独な人は緊張すると失敗する
- スポーツでも、緊張すると失敗する。本来は無意識でこなす動作を意識してしむうからだ
- ダイエットもそう。(食べ物、高カロリーなど) を避けようとするほど、意識してしまい心がそれに集中してしむう
- そう、欠乏マインドセットは改善できるので、孤独もダイエット失敗も貧困も忙しい人も改善の余地があるかもしれない
- お金は交換可能なので、ほかに欠乏を補うのに使うことができる
- 貧困の欠乏に自由裁量もなければ、貧乏人をやめることもできない
- ex) ダイエットならやめることもできる
- 貧困層のほうが薬をきちんと飲まない
- 最貧困層の農民は除草をしない。除草が作物の収穫を劇的に効率よく上げるのにだ。アジアではこれで 50% も損害があると推定される
- 貧困層の親のほうが悪い人であると研究結果がでている。子どもにつらく当たり、一貫性がなく (前頭葉の未発達か)、関係が薄く、愛情も少ない
- ex) 本の読み聞かせより、テレビを見させる
- ex) 太る子ども (親もだが)、予防接種を受けさせない
- ex) 学校に通わせない、貯金ができない
- さて、本当に彼らが悪いのか?
- 貧困の欠乏マインドセットが怠慢を引き起こすのだ!
- ハンナの実験。”金持ち” より、”貧しい” と観察した人たちのほうが、彼女 (ハンナ) が出来が悪いと判断した
- 貧困者は本質的に不出来と認識それている
- よい子育てリスト (はっきりとわかっている研究結果に基づいたもの)
- 一貫性をもつこと
- 高いの処理能力 (頭のかしこさではない、欠乏を気にしないこと)
- ポーカーの計算、対人、感情制御、衝動を抑えら、読書集中、独創的な発想など様々な場面で処理能力は必要だら
- 心の余裕、知性の柔軟性
- 新しい情報を吸収するための作業記憶
- 自制心
- 金銭ストレスを抱える喫煙者は、禁煙の試みをやり通す確率が低い
- あるデータでは、低所得の女性が高所得者の住む地域に引っ越すと、極度の肥満と糖尿病の率が大幅に下がると明らかになっている
- 生計をたてることが、現在の認知力に負荷をかける
- やはり認知力がバグるのだな、ここが大切なポイントだ
- 結論、貧困はお金だけではなく、処理能力も足りなくなる
- 生活保護の生涯上限年数を設けることによって欠乏を生み、資源の使い方の管理向上になる。しかし、何年の先のことに処理能力さけれず、期限ぎりぎりで困窮する
- 売上金と家庭の金。ブラの左右に分ける技。ちゃんとした複式簿記ではないが効果的
- 処理能力 (認知的負荷) の節約が高利益を生む
- 貧しいと、小さな「ショック」に処理能力が使われる。そこを救済すればよい
- 貧困層への最適な支給方法はまだ確立されていない。難題である
- 手術室のスラック
- スラックなければ渋滞もおこる
- 経営者が自分のお金を使う非公開の会社でも、資金が有り余っている時はバカな振る舞いをするようになる
- スラックは無駄であると同時に有益である。削りすぎるとトンネリングを起こす
- MS が Win2000 を出したとき、判明しているバグが 28,000 あった
- 生産性を生むには労働時間にスラックが必要。睡眠時間が削られれば仕事の質は落ち、不健康になり医療費も上がる。離職率も上がる
- ロッキー青木
- レストランで重要なのは席数の欠乏であった。もっと沢山の座席を、テーブルを!回転率を!
- パフォーマンスで客をつめ、回転率をあげた。料理のペースなどもシェフにまかせ (流され?) 身を任せ、他のグループと同じようにダラダラ居残らずさっと帰るようになった
- 対欠乏性にする … 彼の秘書が遅れの連鎖と欠乏の罠を防いでくれる。それでも、彼はトンネリングを起こしてしまうが、欠乏の心理を弱めるために環境を少しだけ変える。秘書が介入するのだ
- リマインダーや専属トレーナーはトンネルの内側に侵入する
- 心がけを必要とする行為を減らす。できるだけ一回限りの行動に変える
- ex) ダイエットなら、食品棚からおやつを取り出す度に心がけるより、スーパーで一度心がけるようにすます
- トンネリングはほったらかしを誘発するので、ほったらかしがちなことを一回限りので解決できるようにすることはとても効果的
- 処理能力の高い時間
- 高卒者の助成金受給の用紙の記入を手伝われた場合、提出率は 3 倍になる。処理能力の負荷を軽減した結果だ
- 欠乏は往々にして豊かさ (時間も) がもとで始まる。長い期限はトラブルのもと。将来のためにスラックを残そうとしない
- 欠乏が予想されるなら、備えは “裕福なとき” に準備しておく必要がある
- 著者は執筆中にゲームのスコアが落ちた。処理能力に負荷がかかっていたのだ
- 自身の処理能力の負荷にもっと注視せよ
- 景気が悪くなると処理能力が落ちるかもしれない。人々はどこかで頭の中にお金の心配をしだすのだ
- 欠乏の筋道を遡れば豊かさに辿り着く
- 著者二人の NPO 法人 ideas42 … 行動経済学を活用して貧困をはじめ様々な社会問題を解決することを目指す組織